番外編:「艦娘部隊の冷たい夏」

「監察」をテーマにした艦これ小説合同誌。私も寄稿させて頂きました!

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テーマは「監察」! 異色の合同誌

「異色」と書いておいて何ですが、合同誌ってときどき気の狂ったような(例:食用)テーマが出て来ることがあるので油断なりません。

企画は半年ほど前、脱稿が昨年末くらいだったでしょうか。

テーマは「監察」。サブテーマは「不正」「監察」「露見」「事後」。結果的に小説合同誌となりましたが、漫画でも受付はしていたと記憶してます。

そんな合同誌に短編小説と挿絵を寄稿させて頂きました。本文執筆者は15名。総ページ数172P。

主宰・編集は伊川清三(s_igawa)氏。

レイアウトデザインの本を執筆されているだけあって、DTPオペレーションは実にハイクオリティです。

その他仕様や通販情報などはこちらの特設ページをご覧下さい。


レギュレーション

よくよく考えたら参加募集時くらいにしか目にしてなかった気がするので、補足として。

本合同誌は次のような枠組みで企画されました。

舞台設定

  • 艦娘部隊の所管官庁は防衛省。
  • 監察業務の所掌は防衛監察本部。
  • 201X年の深海棲艦出現まで、世界の推移は史実通り。
  • 艦娘は適性のある女性(少女)が志願したもの。
  • 原稿は、20XX年に発刊された、艦娘部隊(泊地・鎮守府)での悪行を告発した書籍「艦娘部隊の冷たい夏」の一部をノヴェライズまたはコミカライズ版という位置付け。

寄稿者は各々独自に執筆するため、細かい設定に違いがありますが、そこは「問題にしない」ということになっています。

あとは制限事項としてR18不可とか、実在の人物・団体をそのまま使わないとかいったものがあります。この辺のチェックはきちんとしてました。


拙稿「Cirrus Logic」について

他の寄稿者の方々の作品も力作揃いですが、全部感想を書いてたらえらく長くなる上、短篇の感想はしばしばネタバレに直結するのでここでは控え、拙稿「Cirrus Logic」 について御紹介したいと思います。

シーラス・ロジックという単語からCL-GDxxxxという形式を連想される方は、PC/AT黎明期やPC98末期のコンピュータを知るコアな方々でしょう。今回のタイトルはコンピュータを扱うことと、登場艦娘が巻雲(Cirrus Cloud)であることをかけたマルチミーニングです。

レギュレーションでは「実際の事件をそのまま作品にしないこと」とあるのですが、キャッチコピーである『行間から立ちのぼる艦娘部隊のすさまじい腐臭』を表現するべく、実際の事件(複数)をモチーフにギリギリの線を攻めてみました。初稿の段階で全てのモチーフを見破った主宰の伊川さんにはここで拍手を送っておきます(笑)。

「挿絵」(官報、新聞などはイラスト扱い)も自分で作成したのですが、「文書偽造に問われるとマズいのでこれはちょっと」とリテイクが出たり掲載判断保留扱いになったりと曰く付きの一品であります(主宰様にはご心配をおかけいたしました(汗))。


所感

皆、業が深いし、構成も直球から変化球まで多彩です。

刺激も受けたし勉強にもなったしで、機会があったら合同誌参加もいいものだな、と思わせて頂きました。

艦これを単なる「軍艦擬人化美少女萌え」として消費するのではなく、彼女等を支えているであろう「組織」、そして敢えて「不正」という視点からその背景、暗部へと目を向けた本合同誌。なかなか乙な一品に仕上がっていると思いますので、お見かけの際には是非手に取って頂きたいと思います。


余録(没ネタ供養)

当初のプロットは「監察本部自体の不正」でした。

シグルイでいう「この者隠密なり」とばかりに冤罪を「監察」される悲劇を監察キャンペーンガールの那珂ちゃんが歌い上げるという感じだったのですが、レギュレーション違反が発覚して早々にお蔵入りとなりました。

那珂ちゃんの歌う予定だったテーマソングが「天地無用!」ED、「恋愛の才能」の替え歌だったからです。

ここにその替え歌を御紹介して供養に代えたいと思います。


防衛省 防衛監察本部 特別監査キャンペーン キャンペーンソング
『監察の才能』
歌:那珂

「知らない」と言わないで
つまらない 台詞よ Fum …
知らんぷり できるのが
監察の才能

ねえ また いまも 目が合ったよね
目をそらす 瞬間が Ah 好きよ

わかってるの キミの気持ち
わたしだって 同じたけど
「容疑者」と 呼ばれたとき
もう それは シロじゃないのよ

だから 確かめたりしないで
どうぞ このままで

約束は いらないわ
意味のない ルールよ Fum …
偶然に 出会うのも
監察の才能

ねえ 日曜日 あの街角で
すれちがう偶然が Ah ステキ

ふたりきりで 見つめ合えば
シロは シロじゃなくなるのよ
壊れやすい 組織(もの)だから
大切に 守りたいよね

だから 遠くを見つめていて
そうね そのままで

わかってるの キミの気持ち
わたしだって 同じだもの
「容疑者」と 呼ばれたとき

もう それは シロじゃないから

どうぞ 確かめたりしないで
そっと…このままで

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