Oct.18, 2005

いわゆるブラックレターについて

[Diary]

ちょっと必要に迫られ、ドイツの旧字体について調べてみました。

あるTeX(LaTeX)パッケージの操作説明が色々薀蓄もあって面白かったのでご紹介。

素養のないいち日本人である私からすると、PC上で英語以外の欧文となるとウムラウトやアクサン記号だけでも頭が痛くなってくるわけですが、事はそれだけでは収まらず。合字となると組版システムで制御コードを使わないと対応できないようで(グリフが違うんだから当然といえば当然か)。その上でゴシック、シュヴァーバッハ、フラクトゥアという字体の違いが入ってきます。

とりあえず合字に関しては棚上げを決め込み、このへんからフォントをかき集めてきます。重厚で力強い雰囲気を出すには、やはりこれです。

しかし、単にイメージだけで字体を使うと、いろいろ厄介な問題が浮上してきます。それは、字体の与えるイメージが日本と欧米では違うということ。

ちょっと調べてみるとこんなポイントがあるそうで。

  • 一般にセリフ体(ひげ付き)は伝統的な印象を、サンセリフ体(ひげ無し)は革新・前衛的な印象を与える。
  • 英語版Windowsで多用されるフォントはTimes New Roman(日本版Wordなどでアルファベットに割り当てられるCenturyは違和感を持たれる)。
  • ArialはHelveticaのパクり(クローン)なので、その経緯を知るデザイナ等には使用するだけで悪印象をもたれるケースがある。
  • Garamondはフランス、Universeはオランダ、Bodoniはイタリアで生まれた活字が基になっており、対応を間違えるとちぐはぐな印象を与える
  • ナチス時代のプロパガンダ文書でブラックレターが多用されたため、ドイツやWW2でドイツの占領下にあった国に対してこれを用いるとリスクが大きい。

確かに、日本語の場合を考えても、字体が面白いからと言って文章の全文を勘亭流やら金文体やらにする事はあまりしないし、ビジネス文書に右翼や極左過激派の宣伝ビラみたいな字面は普通使いません(まあ、確信犯的にそういうシュールな選択をする例外はあるかも知れませんが)。

というわけで、こんな本を注文してみたり。

4568502772欧文書体―その背景と使い方
小林 章


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# もっとも、これを血肉に何かを造ってみせて初めて意味があるんですが…orz
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