ユメノオワリ
なんか奇縁のあったアニメ、"Rosen Maiden"の続編が始まりました。
今回は私の好きな懐中時計が出なくてショボーン。以上。……じゃなくて。
仕方ないから「一藩水銀」を掲げながらリアルタイムで見られない哀れな土佐水銀燈の郷士共にも紹介してやるですよ。
前期の内容が前提になっており、第二期というよりは第二クールの13話とか14話と言った方が近い印象。しかし、「一見さんお断り」の謗りを恐れて説明調の構成にすると往々にして中途半端になって誰も満足しないので、割り切りとしては良いと思います。
展開としては、既に確定したキャラクタを原則そのイメージのままに配置することで、前期ラストからの「幸福な日常」が続いているように演出しながら、逆に前期の展開を知る人間には気づきやすい違和感を紛れ込ませて徐々に導入へ繋いでいってます。そして敵登場。
……で、新キャラがラブリー眼帯を着用に及んでいる件は笑っていいとこなんでしょうか(笑)。
閑話休題。
今期のテーマは多分副題の通りなんでしょう。
taumend(aはウムラウト)はtraum-ende、英語ならdream-end、すなわち「ユメノオワリ」ってことでいいのかな。それだとaustraumen(aはウムラウト)?
自己の内面に折り合いを付けて外界に踏み出そうとした主人公は、今度は逆に外界から置き去りにされつつある現実に直面しています。それが自身の気持ちではなく、自負していたはずの能力に起因するという屈辱と焦燥。
戦いを宿命と言い切り、戦い抜いたはずのヒロインは、その過程で欠落と喪失を思い知った結果、戦いの意味、ひいては自分の存在意義――観念を見失い始めています。
主人公達が直面する壁と迷路。結局それは夢の続きであり、そこから覚めるまでの過程こそがこの副題が象徴するテーマなのかな、と。
作中の時期は夏休み。多分ストーリーはその間に片が付くのではないでしょうか。それは夏の夜の夢。そしてユメノオワリ。
転じて、この副題には「今期で決着をつける。ダラダラ続ける気はない」という製作側の意図も感じられるような気がします。いや、これは私の願望か。
「夢はいつか覚める」というのは、観る側作る側にとっての真実でもあるはずなので。
願わくは、それが良い夢とならんことを。
あと小ネタ。
- OPテーマは相変わらず精神の不安を掻き立てるシュールレアリズムの絵みたいなメロディ。決して嫌いではないけど、カラオケはもはや無理。
- OP、EDの意匠はアール・ヌーヴォー。ミュシャスキーの癖にウテナ風と言ったさら丼は反省しなさい(笑)。図案文字みたいな変形日本語フォントとぶん回る薔薇と王子様(wに騙されてるんじゃない。節操ないってのは同意だけど。
- アバンを観るに、第一か第二ドールが水銀燈らしい。そんな初期の奴が未完で放置ってのはいいのか?
- その水銀燈だけど、これで出番が終わりだったら暴動が起きそうだなぁ(笑)