Oct.26, 2005

むしり取った衣笠

[GUNと鯖芸]

昔色々手を入れた私のAUGなのですが、これを機に徹底的なオーバーホールを行うことにしました。チューン/カスタマイズのやり直しとも言います。

何をするにしても、まず目的を決める必要があります。今回のテーマは「スムースアップ」。

パワー制限がある以上その追求に意味はなく、ウラシマ状態でサーフィンしたところどうも流行っているらしいハイスピードカスタムにもあまり意味は見出せません(別にレートが倍になるわけではないし、そもそも弾数制限がかかったらどうするんだ、と)。(*1)

だから、私としてはごくごく基本的に「駆動部分の抵抗を減らす」ことで、引き金を引いたらすぐ弾が出て、静かに撃てて、壊れにくい銃に仕上げたい。動作がスムースになれば多少は発射レートが上がるかも知れませんが、それは余禄。

既に組み込まれたカスタムパーツは流用するものの、あまり新規に金はかけたくはありません。程度問題ではあるものの、金をかけるより手間をかけるのがこの手の整備・調整のあるべき姿だと思います。

とはいえ、今回の内容はC整備(*2)の中でも一番重い部類になるため、いきなり大出費。メカBOXのケースとモーターから購入する羽目になりました。

ショップで買ってきたメカBOXのケース。純正のプラ軸受けが付いたまま。
ショップのカスタムで出た余剰品だと思うが、何と交換したんだろう?

何せ、一番最初に買った電動ガンであるAUG。色々試行錯誤で手を入れた部分もあり、全体的にガタが来ている可能性がなくもない。ならば、いっそ真っ更の状態からやり直すのが解り易くて良いだろう、と。モーターについては、ピニオンギアの感じがちょっと怪しいのと、今回に限ってはブラシや整流子周りまで完全に整備する体制を整えるよりも、モーター一個買った方が安かったという理由によります。

さて、まずは脱脂洗浄から。ブレーキクリーナーのスプレーを吹きかけて、ゴミや埃、グリスやオイルなどを一掃します。乾燥させてからしばし検分するに、どうもしっくり来ない。よくよく見てみると、ケースの合わせ目からしてバリが立っています。そりゃネジで締め付ければ閉まるだろうけど、ケースが歪んでは中身のチューン以前の問題。

で、ケースの合わせ目のバリを取ります。平鑢で削ってみたら、これがもうプラスチックばりに削れる削れる。弱いぞ!亜鉛ダイキャスト。目立つバリを取ったら軽くペーパーをかけておきます。

まずは基本中の基本ということで、摺動部分の研磨から。ピストンとタペットプレートのガイドレール部分をペーパーで研磨し、最後は研磨剤(コンパウンドとか。今回はウィノールを使用)で仕上げ。仕上がったら再度洗浄して削りカスなどを取り除きます。

ペーパーがけ後(左)と研磨剤で仕上げ後(右)。
乱反射して白っぽく見える左と比べ、右は多少物が映るようになっている。が、実は本当に研磨する必要があるのはガイドレールと溝部分だけ。

本来、研磨部分は鏡面になるまで研磨すべきなのですが、今回はそこまでしていません。研磨面を時計用のアイルーペで見てみたんですが……はっきり言って材質悪ぃ。気泡入りまくりのキャストのようなもので、削っても削っても新たな気泡が顔を出すといった有様。パテ埋めなどは問題外なので、これで鏡面仕上げとなるとバーニッシャーのようなものを使って圧力をかけ、塑性変形させるくらいしかありませんが…この形状では望み薄。昔メカBOXを研磨した時はもう少し綺麗だったような気がするんだけど…もしかしたら当時と材質が微妙に違っているのかも知れません。

もっとも、ヘタに強度を持たせると違法改造の温床になるわけで、その意味ではむしろ賢明とさえ言える造りです。悩ましいことですが。

もう少し研磨してから、軸受けを入れます。道具箱の奥からPDIのフッ素ムースが見つかったので、最後の仕上げに使ってみようかな。ほとんど御呪いみたいな気もしますが(笑)。

*1.

かつてハイスピードカスタムで男風を吹かした挙句ゲーム中に破滅の音を高らかに響かせた黒歴史などは存在しませんともええ全く(笑)。

*2.

主に航空用語。JALの規定などを例に取ると、次の通り。

飛行前点検(T check)
外観点検、燃料補給、出発態勢の確認などのプリフライトチェック。
A整備(A check)
エンジン・オイル、作動油、酸素などの補充、動翼類、タイヤ、ブレーキ、エンジンなどを中心とした点検
B整備(B check)
A整備の作業に加えて、特にエンジン関係を中心とした詳細な点検。
C整備(C check)
運航を5~10日間中止して行われる。A、B整備の内容に加え、諸系統の配管、配線、エンジン、着陸装置などについて入念な点検が実施されるほか、機体構造の検査、各部の給油、装備品の時間交換などが行われる。
D整備(D check)
3~4週間機体をドックに入れて行われる。機体構造の内部検査および防錆処置、各システムの諸系統について徹底した点検、機能試験、機体の再塗装、大規模改修。

業界、組織によって呼び名や意味は微妙に違う。B整備の内容をA整備に含んだり、C~D整備にあたる内容をM整備あるいはP整備、重整備などと呼ぶことも。

もっと簡単に例えるなら、
A整備:点検→点検
B整備:整備→メカBOXを開けてチェック
C整備:車検→メカBOX内部を完全に分解して組み直し
D整備:メーカー修理→メーカーorカスタムショップ行き
…って、最初からこう説明すればええやん!(笑)

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