May.11, 2006

[PBMとは?]文章を媒体とするRPG

[PlayByMail]

PBMが時代とともにPBeMという形態を取り得たことが示すように、PBMの本質は"Mail"ではありません。そこに載っている情報にこそ意味があります。

その「情報」とは、プレイヤーが文章によって提出するキャラクタの行動であり、ゲームマスターが提出する物語の文章です。このアナログ情報のやりとりこそがPBMの最大の利点であり、最大の弱点です。

まず、その柔軟性と自由度の高さは特筆すべき利点です。最初からプロットされたシナリオをただ読むのではなく、プレイヤーはその力量でもって物語の展開を(良くも悪くも)左右することが可能です。ゲームマスターにとっても、それは単なる不確定要素ではなく、新たな可能性の追求という側面があります。

そして、その結果として生成される「物語」を文章として形に残すことができることも、共有と追体験という視点からすれば大きな利点です。

しかし、人間がアナログ情報を処理する以上、処理速度と品質が処理する人間の力量に大きく依存してしまうという宿命的な弱点もまた併せ持つことになります。

また、リアルタイムの処理も基本的に不可能ですが、これはメリット、デメリットの双方として働きます。

リアルタイムでないことをメリットとして捉えた場合、非同期で処理が行えることが利点として挙げられます。MMORPGのように、端末にかじりついてリアルタイムで操作する必要がないため、プレイヤーが個々人の生活リズムに合わせたスタイルで対等にプレイする事が可能です。これは、生活に支障きたすほどの時間をプレイに費やす「廃人」ばかりが得をするようなリスクを回避することにも繋がります。

また、物語展開の都合上、ある程度まとまった単位のタイムスケールを処理する必要があることが多く、きめ細かな対応がしにくい場合がある事がありますが、逆にタイムスケールを引き伸ばせば、リアルタイムでの分・秒単位のシーンを緻密に描く事も不可能ではありません。

リアルタイムのレスポンスを得られないことをデメリットとして捉える考え方もあるでしょうが、これはメリットとのトレードオフとして受容すべき点ともいえます。

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