Jun.10, 2006

わかっちゃいるけど……

[Diary]

やめられない、ではなく、手を出せないという話。

いや、歴史を学ばねばならないと最近とみに思うのです。

モノには来歴や背景というものがあり、そこまで含めて見なければ本当に「見ている」ことにはならないのではないか、と。アンティーク時計の世界がまさにそれで、ただそこにある機械を愛でるのはそのほんの入り口の手始め。その機構の違い、仕上げの変遷。それら全てに意味があります。その意味、何故そうしなければならなかったかというその理由。それはすなわちその当時の背景であり、そうした流れの積み重ねこそが歴史であると。つまり、この道楽をより愉しむためには、歴史の勉強を避けては通れないのです。

しかし、わかっちゃいるけど手が動かない。私は歴史の勉強がすっかり嫌いになっちまっていることを今更ながらに思い知らされます。社会科の選択科目は地理だったしな。

三つ子の魂百までといいますが、私の歴史の勉強嫌いは中高あたりで形成されたようです。中学での歴史とはすなわち語呂合わせと暗記の歴史。有体に言ってくだらない。中世の外国の王侯貴族の名前やらてんで繋がりの見えない単発イベントの七並べなんざクソの役にも立ちゃしねぇ、と。まあ、この辺までなら受験戦争華やかなりしころの暗記詰め込み教育の弊害ってことになるんでしょうが。

決定的だったのは高校に居た世界史担当の教師(もう名前も覚えてない)。これがまあとんでもないクズでして。全く根拠のない権威主義を振りかざす莫迦で、ハゲ・デブ・チビの三拍子の中に傲慢さが詰まっているという、どうにも救いのない奴でした。彼がどれほど生徒に嫌われていたかというと、夏休みの補習(という名だが出席強制の追加授業)でコイツが出てきた授業を過半数がボイコットして図書室に行ってしまうくらい。そんな奴が担当する、くだらない暗記教科を受験の為だけに選ぶ?冗談でしょ。

恩師によって勉強の楽しさに目覚めてめきめき伸びた、なんて美談がありゃ良かったのですが、現実はその真逆だったということです。

で、そんな原体験を抱いたまま来てしまっているので、テクノロジーには興味があるけど、政治や人物にはまるで興味が湧かない。特にローマなんか致命的で、水道橋や馬車・道路については興味が湧くのに、なんとかウスとかヌスとかぐだぐだと投票だ選挙だ根回しだとかやってるのは鬱陶しいだけ。仲間内でボードゲームやる時でも、ローマ物だけはパスさせてもらってるほど。

閑話休題。

ともかく、アンティーク時計の変遷と実際の歴史との関連を理解するためには歴史の勉強が必要だと。例えばフランスの時計産業が、偉人ブレゲを擁しながら何故微妙なカンジで終わってるのかを知るには、その顧客たるブルジョワ達の生活について知らねばならず(某掲示板の議論によると、端的に言って他の出費が多すぎて時計どころではなかったのだ、とか)、そのブレゲ自身についても、革命の動乱と無関係ではなく(マリー・アントワネットの話は置いておいても、死に姿が絵になったマラーと救い救われという話があるらしいし)。

中世フランスなんて私の知識にはないアンノウン。ぽっかりと欠落しちまってる部分です。おかげで、畏友諸氏にナポレオン展とか連れて行って貰っても実は意味がよく解らない。肖像画は解説見れば名前は解るとしても、その服装やら背景やらから来る意味はさっぱりだし、戦場画に到っては、なんか子供のサッカーの如く団子が支離滅裂に走り回っているようにしか見えず、一体何がどうなってるのかさっぱり。

まあ、一気に全てを理解するなんて所詮は不可能。少しずつ、コツコツやるしかありますまい。

…というわけで、只今フランス革命史を勉強中。

大陸軍はアァァァァァ!世界最強オォォォォォ!! できないことはアァァァァァ!ないイィィィィィ!!

うーん、マッセナ団入りてェ。もしくは橘組若獅子会。

Here are 0 Comments & 0 Trackbacks