古の時計6号
そういえば、届いてから二週間くらい経ってたんだった。
全体的な感想はこれまでと同じ。記事の内容はともかくボリュームが物足りない。時計はオマケ。
オマケの時計はテレフォンダイヤル時計という触れ込みだが、そのダイヤル部分の意匠が旭日っぽく、なんか昭和初期の「大日本帝国」とかいう雰囲気。成金じみてる気がしないでもない。ただ、インデックス部分が立体的なので、針が引っかからないか不安。ということで、針がきちんと回ることだけは確認しておいた。
ところでこの雑誌、ディープなマニアにはあまり受けがよろしくない。機械式時計、それも出来が良いものを知っていると、このオマケの質は我慢ならないレベルに映るようだ。私の目から見ても「値段相応」というあたりがせいぜいだが、これとて完品の話。自分でそういう品を引いた事は幸いにしてまだないが、組み立てのガタやペイント忘れといった低レベルな問題が発生しているようだ。そいつはイカン。
本の記事はというと、内容自体はいいのだがとにかくボリュームが足りない。そして、元が翻訳記事である以上、洋書にまで手を出す気があればその原典を見ることもできないわけではない。それを厭わないからマニアなわけで、そういう面々の点が辛くなるのは致し方ない。
しかし、懐中時計の裾野を拡げるという意味では、この本の意義と功績には大きなものがある。特に全国展開が始まってから、当サイトの来訪が急増したのはその一端。
百個の時計を抱え込むマニア一人より、たった一つの時計でも大切にする人が百人いてくれるほうが嬉しい。…行きつけのショップの店主の言葉だったと思うが、私もまったく同感。
これをきっかけに本物の「古の時計」に触れてもらえたらなぁ、と一ファンとしては思うのである。
興味をもって来訪して下さっている皆さんに、当サイトがそのささやかなきっかけを拡げる一助となりますように。