PTS MAGPUL PDR-C(入手編)
■購入
さて、PDR-Cを買うと決めたはいいが、どこで買うかが問題だ。
安値を求めて検索してみると、『PTSの日本正規代理店の直営店』という触れ込みのショップ(http://happoya.jp/)が見付かった。
別売パーツのグリップエクステンション付きでなお他のショップより格段に安い。しかもこの記事を書いている時点では、この銃のアキレス腱とも言われるタペットプレートまで単品売りしているではないか。これで買わない理由はない。クレジットカード決済こそ出来ないが、注文から振込の案内、発送までの処理も手早く、注文の翌々日には現物を手にする事が出来た。
■開封の儀
箱はスマートで、内容物もすっきりと収まっている。併せて注文したタペットプレートも箱の中に同梱されていた。あまり大量でなければ、送料に影響を与えない形で同梱して貰えるようだ。
マニュアルの巻末には"MADE IN HONG KONG"、箱のサイドには"ASSEMBLED IN HONG KONG"の表記が。添付文書は全て英語で、漢字や中華を匂わせるような要素は皆無。これだけ見たら洋モノと言われても疑わないかもしれない。中華は中華でも高級中華なのか。
本体のサイズは全長490mm。P90に近いが厚みはより薄く、一層コンパクトに感じる。
手に取った瞬間「おっ」と思ったのは、中身がしっかりと詰まった感触。振り回してもガタついたり、内部でカラカラ音がしたりするような気配はまったくない。レシーバーの固定もしっかりしており、力を入れても軋み一つない。
トリガー以外に可動するのはコッキングレバーとイジェクションポートの切り替え、マガジンキャッチ程度。ブルパップでよく槍玉に挙げられるマガジンキャッチのリリースボタンはトリガーのすぐ上に設けられており、左右どちらからでも操作できて扱いは楽……と言いたいところだが、マガジンキャッチと離れた場所にあるリリースボタンがリンクロッドで繋がっている方式のため、ちょっと動作が渋いかな、と思わないでもない。
マガジンは本来STANAG対応のはずだが、電動ガンのAR15系マガジンが使えるかどうかはよくわからない(M4系列の銃は一丁も持ってないのだ)。
上面にはレールがあるだけでアイアンサイト等は一切無い。無駄がなく美しくはあるが、何某かのサイトを搭載しないと照準が付けられないので注意。またレールは上面だけで他にアクセサリの搭載場所は無いため、サイト以外にも載せたいものがある場合、工夫が必要になると思われる。
スリングスイベルも装備されていない。ストック下部の穴にスリングスイベルアダプタを付ければワンポイントスリングが使えるようになる……か?
特徴的なハイダーは半埋め込み式で、14mm逆ネジとなっている。ネジだけを見れば各種ハイダー、サプレッサーが使用できるが、この半埋め込み式というのが曲者で、ものによってはアウターバレルを延長しないとレシーバーに干渉して取り付けができないと思われる。
同梱のグリップエクステンションは、二重の意味で必須アイテムと言って差し支えない。
まず、標準グリップのサイズが非常に小さいこと。余程手が小さいというならともかく、成人であればまず取り付けておいた方が安心できる。
そして、グリップ内にバッテリを内蔵する際の問題。
この銃、グリップにバッテリを内蔵することになっているのだが、そのスペースが非常に狭い。グリップエクステンションを付けてやっとミニS相当(17.6mm x 35mm x 100mm)のバッテリがギリギリ収まる程度。しかも本体だけで一杯一杯のため、グリップ内での線の引き回しは事実上不可能。コネクタへの接続はレシーバー側の空間で処理する必要がある。
思い切ってミニSよりもさらに小型のバッテリを使用するか、コネクタ回りの改造を覚悟の上でミニS相当のバッテリを詰め込むか、予め考慮が必要な部分といえる。
英語表記だが結構しっかりしたマニュアルも付いているし、「国内法規制対応」を謳う検査証明書まで同封されている。「中華ガン」と身構えていたが、予想外の完成度の高さに良い意味で裏切られたといえるだろう。高級中華侮り難し。
ただし、このままで本当に常用できるとは断言できない。初速等の計測結果が添付書類の通りだとしても、「どのようにして」それが実現されているかが問題だ。極端なことを言えば、メインスプリングをぶった切って数値だけ合わせてあるのかも知れないし。
この辺りは完全に分解してみないと結論は出せないだろう。
次は実射試験や分解等も交えて詳細に見ていくことにする。